ちょっとしたきっかけがあって物事がうまくいった時、そのきっかけを大事にしてまうことがある。
僕は仕事に出かけるとき、最寄り駅まで自転車で行っている。自転車置き場には一台一台をおさめられる台があって、番号が振られている。いつもあいていれば自分の誕生日の番号に置いていたのだけど、その日はあいにく埋まっていたので、217番のところに置いた。
そうしたらものすごく調子が良くて、たくさん売れた。
次の日は自分の誕生日の番号があいていたのだけど、なんとなくまた217番にとめたら、また売れた。だったらと思って次の日も217番にとめたら、また売れた。
僕が取り扱っている商品は少し高額なもので、お店の規模もそこまで大きくないので、自分の売り上げとしては何も売れない日もある。だからたかが3日間なのだけど、されど3日間なのだ。
たまたまだろうと言えば、たぶんそうだろう。でも、そこからさらに数日間、別な番号にとめ続けてみたら、これが不思議なことにムラがある。売れる日もあれば、売れない日もある。ところが217番にとめると、なぜか調子がいい。
で、今日も217番にとめたら、やっぱり売れた。
気の持ちよう?
いやいや、何かあるにちがいない。
そういうのを人はジンクスと呼ぶ。いいジンクスもあれば、よくないジンクスもある。不思議なことに、人はそういう見えない力に動かされているような気がする。
明日もし217番があいていたら、僕はたぶんはそこに自転車をとめてしまうだろう。
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